2020年こまえ平和フェスタ開催の見送りと、それでも平和の発信をする決意について
だれもが生きやすい社会を目指して~みんな違って みんないい~
2005年、被爆・戦後60年の節目に狛江市と市民との共催で始まった「こまえ平和フェスタ」は、戦争を忘れず語り継ぐこと、そして市民の平和への思いを具現化した「狛江市平和都市宣言」の実践の場という役割を自負しながら、毎年市民の手作りで開催してきました。
今年は被爆・戦後75年という年という意気込みを持ちながら準備を進めていましたが、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症、東京においても「緊急事態宣言」は現在、解除となっていますが、いまだ予断を許さず、例年のように「会場いっぱいに人を集めて」という取り組みをすることはできない状況です。
そして、市民公募の「平和フェスタ合唱団」など、狛江平和フェスタが大切にしてきた「市民参加の企画」も、参加を募ることや、集まって練習をすることが困難という中で、実行委員会では論議を重ねた結果、「エコルマホールでの開催」については断念をすることとしました。
一方で、被爆・戦後75年という年が変わるわけではなく、被爆体験、戦争体験を語れる世代はますます少なくなり、その体験継承は急務です。
同時に、このコロナ禍は、市民の平和な生活をまさに脅かしています。
「平和とは、戦争が起こっていないということだけではない」というのは、2011年の東日本大震災の時にも突き付けられ、その年の平和フェスタでも深めたテーマでした。
新型コロナウイルス感染症が広がり始めたころ、コロナへの恐怖から、日本では中国人への差別行為が、世界では日本人を含むアジア人への差別行為があるという悲しいニュースが流れました。
そして差別ということでは、アメリカで白人警官による黒人男性への暴行事件が起こり、世界中で大規模な抗議行動が広がっています。
日本でも、外国にルーツを持つ若いスポーツ選手などが声を上げています。
「平和とは何か」を、今こそ問い直し、考えなければなりません。
平和フェスタ実行委員会では、人を集めて催しはできなくても、平和について考えるための発信はしたいと、過去15回開催された平和フェスタの企画をHPやYoutubeで市内外に紹介するなどの準備を進めてきました。
このニュースを手に取っていただいたことが、改めて平和について思いを巡らせるきっかけになれたならば幸いです。
そして、来年2021年にはエコルマホールを一杯にして、皆さんで平和について考え、語り合い、つながりあう「こまえ平和フェスタ」を開催することを目指して準備を進めてまいります。どうぞ、ご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
2020年こまえ平和フェスタ実行委員会 実行委員長 大熊 啓