ヘルマンさん功績 紙芝居に ~狛江で原画展 ハムなど加工技術伝授~
終戦後に狛江市で暮らし、ハムやソーセージの加工技術を日本に伝えたドイツ人、ヘルマン・ウォルシュケさん(1893~1963年)の功績を伝えようと、市民団体が制作した紙芝居の原画展が5日、同市の泉の森会館ギャラリーで始まった。
ドイツ軍人だったヘルマンさんは、第1次世界大戦時に中国で捕虜となり、1916年に日本に移送された。大戦後も日本に住み食品会社でハムやソーセージの製造者として働いた。34年に日米野球が行われた甲子園球場で日本で初めてホットドッグを販売したという逸話も残されている。
第2次大戦後に食肉処理場があった狛江市に移住し、市内にハムなどの製造工場を建造。市民と交流を重ねながら、食肉加工技術を伝授した。69歳で亡くなり、市内の泉龍寺にお墓がある。
紙芝居の制作は、市民団体「ヘルマン・ウォルシュケさんの足跡をたどる会」が企画した。紙芝居を描いた経験がある、調布市の石谷清隆さん(65)と八王子市の田中尚子さん(55)に制作を依頼。幼児から小学校低学年向けの紙芝居を石谷さん、小学校高学年以上向けを田中さんが担当した。
展示では、40枚の原画などを見ることができる。同会会長の飯田吉明さん(87)は、「ヘルマンさんの波乱万丈の人生を幅広い世代に知ってもらいたい」と話す。原画展は8日までで入場無料。7日に田中さん、8日に石谷さんが泉龍寺境内で紙芝居を上演する。問い合わせは飯田さん(03・3489・0222)へ。
※2024年(令和6年)9月6日 読売新聞朝刊 より