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エネルギーシフトを実現する こまえの会

アンケート調査から見えてきた市民の思いと疑問や課題

 386名からアンケートに対して回答をいただいた。いただいた回答や自由記述から多摩川二ヶ領宿河原堰での小水力発電事業に関して市民の皆さんの関心や思い、疑問や課題をまとめると以下のようになる。

 回答されたほとんどの人(96%)が再生可能エネルギーを増やすことに対しては関心を持っていること、小水力発電事業に対しては「わくわくする、すすめたい」、「可能ならやりたい」が全体の92.3%を占めており、エネルギー問題への関心の高さがうかがえる。自由記述からも安全なエネルギーへのシフトや自然エネルギーの創エネ拡大、多様な活用を望んでいることがわかる。

 事業に対する内訳をみると「すすめたい」(108名)に対して2倍強の方たちが「可能ならやりたい」(254名)を選んでいる。

 自然エネルギーやエネルギーシフトへの関心は持ちつつも、「可能ならやりたい」「やらなくてもよい」「すすめたくない」「回答できない」と回答された方たちの躊躇や疑問を自由記述から分析すると次のようなことに起因していると考えられる。

①情報不足
まず都内に小水力発電の身近な事例(森ケ崎下水処理場や浄水場などではすでに実施、エネこまメンバーは森ケ崎下水処理場を見学)が少なく、圧倒的な情報の不足がある。また山間部では小水力発電を実現している事例が増加しているが、都心を流れる一級河川での実用例は京都嵐山を流れる桂川(エネこまメンバーで見学)のほかにあまり事例がない。そのためにイメージがつかみにくく、すぐには事業の判断がつけにくいとの意見があった。

②環境破壊
多摩川の自然は二次自然だとしても、今ある自然環境を壊すことなく発電事業の工事ができるのかどうか。騒音などの心配はないのか。

③コスト
設備や工法の想像がつきにくく、建設コスト、維持管理コストがどれくらいかかるのかわからない。自然エネルギーを増やし、シフトさせることには賛成するものの、収益性も含めてコストパフォーマンスを考えないわけにはいかない。

④防災・安全性
開閉式でなかった二ヶ領宿河原堰が原因となった堤防の決壊を経験し、集中豪雨や台風により河川敷に流木などが散乱するのを間近に見ているため、新たな建造物や工事による災害時の安全性や強度への影響はどうなのか心配がある。

⑤河川管理者や関係自治体との調整、連携
国土交通省河川事務所が管理する一級河川の活用について及び多摩川二ヶ領宿河原堰付近から用水に取水している対岸の川崎市との調整、連携、狛江市の考え方、発電事業を担う運営主体はどうするのかなどがわからない。広域的な連携なども模索すべき。
等に要約できる。

 今後、多摩川での小水力発電の可能性に向けて、この市民意識調査で浮かび上がってきた疑問や課題のさらなる調査と解決策を模索することが求められている。


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まとめ
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